
無資格・未経験の方に「介護の仕事内容」と聞くと入浴・食事・排泄の三大介護の他に「利用者さんコミュニケーション」とイメージをされる方が多いです。
ここで言うコミュニケーションとは「利用者さんとの会話」と考え頂いてOKです。
そしてよく「コミュニケーション(会話)が得意じゃないと介護の仕事は向いていないでしょうか?」という質問を貰うことが多いです。
そこで今回は介護の仕事はコミュニケーションが苦手でも出来るのか?について書いてまいりたいと思います。
コミュニケーションが苦手でも介護って出来るの?
結論
苦手でも全く問題ありません。
なぜか?
答えは3つあります。
①話すことだけが全てではない。
②人には向き、不向きがある
③会話が苦手な方も現場時代に沢山いた。
ではこれらの理由を一つのずつ解説してまいります。
話すことが全てではないから
コミュニケーション=会話と思っている方が多いと思います。
しかしコミュニケーションは会話だけではありません。
ノンバーバルコミュニケーションと言う言葉を聞いたことがありますでしょうか?
和訳すると【非言語的コミュニケーション】と言います。
文字通り「言葉以外のコミュニケーション」ということになります。
表情、 身振り、手振り、 目線 、匂い
等などこれらを使ったコミュニケーションになります。
表情
楽しさ、悲しさ、嬉しさ、怒り、こいったものを表情で表します。
身振り、手振り
体の動きによって相手に意思を伝えます。
目線
目線で意志の強さや気持ちを伝えます
匂い
匂いで時を示したり、場所を示したりします。
ことわざで「目は口ほど物を言う」とも言いますし、また触ったりすることも非言語的コミュニケーションといいます。
また話すだけが介護の仕事ではありません。
食事介助、入浴介助、排泄介助も必要最低限の声掛けは必須ですが、無駄にべらべらしゃべる必要はありません。
これが「話すことが全てでない」理由となります。
人には向き、不向きがある

人には向き、不向きがそれぞれあります。
得て、不得手ともいってもよいでしょう。
介護はチームケアですので話すことが得意な人、排泄介助が得意な人、食事介助が得意な人などなど様々な得意を持っている方がおります。
得意なことがあれば反対に不得意なこともあります。
不得意なことはやらなくてもよい。
というわけではありませんが「話すことが得意な方」であれば積極的に場を盛り上げてもらい、その時に「排泄介助が得意な方」がうまく誘導をして排泄を促す。
といったように得意なことを活かしでチームケアを行っていくことが大切です。
ですので向き、不向きをしっかり判断をして得意な部分を伸ばしておけばOKです。
ただしここで注意しなければならないことがあります。
得意なことであっても任せ過ぎには注意
良くある失敗なのですが、得意なことであるからといって任せ過ぎはNGです。
仕事である以上ある程度は最低限こなさなければなりません。
不向きだからといっていつまでもその業務から逃げていてはいっこうに上達はしません。
もし自分自身の成長を考えるのであれば、積極的に不向きな業務も行い総合的なレベルアップを図っていきましょう。
会話が苦手な方も現場時代に沢山いた。

実は介護士時代【会話が苦手な方】もたくさんおりました。
もうむしろ、この事実だけで「コミュニケーションが苦手でも介護の仕事をが出来る」と言い切ることが出来ます。
私自身はどちらかというとおしゃべりなタイプだったのでコミュニケーション自体に困ることはありませんでした。
ですのであまりどうしたら会話が出来るか?と考えることがありませんでした。
しかし仲の良かった先輩で「自分は会話が苦手」という方がいたのでその先輩に「じゃあどういったことを意識して会話してるんですか?」と聞いたことがあります。
その時に先輩は‥‥
「話すのが苦手だからしっかりと利用者さんの様子を観察しているよ」
と仰られました。
これは正直目から鱗が落ちました。
まさに言語的なコミュニケーションに頼る前にその方の表情やタイミング、生活歴などをしっかりと観察、確認をし行うケアを実践をされていたのでした。
この時に私は「コミュニケーションが苦手でも介護の仕事は全然問題がないんだ!」と気が付くことが出来たのです。
べらべら話すだけがコミュニケーションではありません。
話す量ではなくて質が大切です。
苦手で上手く話すことが出来なくても利用者さんはしっかりと気持ちを受け取って下さいます。
これは間違いありません。
話すことが苦手だから‥‥それだけの理由で介護を嫌いにならないでください。
結構苦手な方は多いですから・・・(笑)